日銀、ETF買いに異変 「ステルス縮小」市場に思惑

日銀、ETF買いに異変 「ステルス縮小」市場に思惑

2018/4/21[日経朝刊より]

日本株の最大の買い手に浮上した日銀の上場投資信託(ETF)買いに「異変」が起きている。午前の株価指数の下落率が一定の水準を超えると購入に動く経験則が、4月以降は通じない。国債市場は日銀の買い入れが細る「ひそかな緩和縮小(ステルス・テーパリング)」が意識されている。株式市場でも、その存在が大きくなりすぎた故に「ステルス縮小」の思惑がちらつき始めた。

「きょうはどちらにしても日銀は買わないな」。20日午前、ある国内証券のトレーダーは前日終値近辺でもみ合う株価を見てつぶやいた。

脳裏にあったのは17日の動きだ。この日、東証株価指数(TOPIX)の午前の終値は前日比で0.22%下げた。「下落率が0.2%を超えたら日銀が買う」という経験則から日銀がETF買いに動くと思ったが、結局不発に終わっていた。

「0.2%の法則」はあくまで経験則で、日銀が明示したものではない。ただこの1年を振り返ると、下落率が0.2%を超えた日で購入に動かなかったのは数えるほどしかない。前場の下落率を見て、「後場に買いを入れる短期筋の『日銀プレー』は当然のように行われてきた」。

ところが、4月は下落率が0.2%を超えた3営業日のうち、発動したのは1回のみ。0.14%の下げでも買い入れた4日分と合わせても、4月の購入額は約1400億円にとどまる。

日銀は2016年半ばから、ETFを年約6兆円のペースで購入している。4月は残る5営業日すべてで700億円ずつ買わないと、年6兆円に必要な月平均5000億円には届かない計算だ。

最近では、仏大統領選挙を受けて株高が続いた昨年5月と、日経平均株価が16連騰した昨年10月は、購入額が2000億円台にとどまった。足元の相場は米中の貿易摩擦や国内政局リスクもくすぶり、ETF買いを見送るのは違和感が残る。市場では「買い入れ基準が変わったのではないか」との思惑も広がる。

日銀は「購入基準の具体的な内容については公表しない」としている。だが、投資家には神経質にならざるを得ない理由がある。

金融緩和策の柱である国債買い入れではすでに「ステルス縮小」が始まっている。日銀が保有する長期国債は3月末時点で前年同月に比べて約49兆円の増加にとどまった。13年4月に日銀が量的・質的金融緩和を始めた時に掲げた「年間50兆円ペース」をついに下回った。これを受けて、「ETFでも近く縮小が始まるのではないか」との観測が広がり始めている。

日銀のETF買いは株式市場の下値不安を和らげる役割を果たしてきた。しかし、ETF残高は3月末の時価で約24兆円まで増えた。日本株全体の4%弱を持つ巨大な投資家の存在を誰も無視できない。

投資家の間では「下がったところを日銀が買うので運用戦略が機能しにくい」と恨み節が漏れる。投資先の企業にどうガバナンスを利かせるかの論点も浮上している。外国人が失速し、気づけば最大の投資家になっていた日銀。市場が「ステルス縮小」の思惑に揺れるのは、日銀の存在が大きくなりすぎた証左でもある。

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