「不況下の株高」の予兆。悲観の揺り戻し 16年と相似

「不況下の株高」の予兆。悲観の揺り戻し 16年と相似
[23日付け 日経朝刊より]

果たして日本株は昨年末の急落を経て大底を入れたのか。リスクオンにはほど遠い今の相場つきからみると、多くの参加者は半信半疑。今後相次ぐとみられる企業業績の下方修正への警戒感が投資家を尻込みさせる。だが株価は景気を先読みするという。

今の相場と重なる2016年を振り返ると「不況下の株高」という昔から伝わる格言が思い浮かぶ。

振り返れば日経平均株価が1010円安を演じた昨年12月25日が「陰の極」だった。重要なのは、このとき相場が業績の減速をどの程度織り込んだのか、だ。

ヒントになるのが上場企業の自己資本利益率(ROE)と株価純資産倍率(PBR)の動きだ。「PBR=PER×ROE」の恒等式が成り立つので両者は連動するはずだが、昨年秋からPBRが落ち込む形で両者がかい離した。これは株価収益率(PER)が落ちたためと説明できる。

一方、上場企業のROEが投資家が求める最低リターン(株主資本コスト)である8%に届けば、PBRがおおむね1倍と評価される経験則も知られている。

東証1部の12カ月予想PBRは約1倍。現在9.2%のROEが来期は8%まで低下すると株価は織り込んだわけだ。J証券H氏は「ROE8%から逆算すれば、来期の1株利益(EPS)が15%程度減る減益を相場は織り込んだ」と指摘する。

だがなお証券各社のコンセンサスは18年度、19年度とも増益。1月に下方修正したゴールドマン・サックス証券もEPSが18年度は3.1%増、19年度は5.2%増とみる。決算発表を経て下方修正される可能性があるが、2ケタ減益に至らなければ悲観の修正で株価は上がる可能性が高い。

M証券のF氏は「相当の業績悪化をすでに織り込んでしまったため、これからは企業の業績下方修正が相次ぐ中でも株が上がるという不思議な現象が起きやすい」と指摘する。

 

80年代までよく起きた「不況下の株高」と似た構図だ。当時は日銀利下げが金融相場を誘発し不況でも株高となった。今は不況と呼ぶほど日本経済は悪くないが、市場が過度に織り込んだ後は景気減速下での株の意外高はありうる。カネ余りが続いているからだ。

 

15~16年と現在のチャートを重ねると、先を見通すうえでの助けになる。15年は8月の中国人民元の切り下げを受けて急落し、16年初めに原油価格の下落を機に2度目の下げを演じた。だが2月の下げの後は円高の進行下でも底を割らず、年後半に大幅高を演じた。

 

SMBC日興証券の圷正嗣氏は「中国や米国の景気減速、原油安など下げの原因を含めて今の相場は16年と似ている」と指摘。「16年2月と同様に相場は大底を入れた」とみる。M証券のH氏も16年との類似性に着目し「過度の悲観の揺り戻しで今年は昨年の反転相場になるだろう」とみる。

 

こうした予想があちこちで目に付き始めた点が少し気になるところだが「不況下の株高」の現実味は着実に増している。

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