マザーズ復調 潮目好転。けん引役登場など追い風

マザーズ復調 潮目好転。けん引役登場など追い風

[24日付け日経より]

東証マザーズ市場の復調が鮮明になってきた。23日は日経平均株価が下落するなかで、前日比1%高と気を吐いた。年初からの上昇率は16%と日経平均(3%)を大幅に上回る。

米中貿易戦争や米政府閉鎖など外部環境の不透明感が残り、大型外需株を手掛けにくいことが背景だが、復調の要因はそれだけではない。低迷した18年と異なる3つの追い風が浮かび上がる。

「サンバイオの株価上昇には半信半疑だったが、確信に変わりつつある」。中小型株を手掛ける国内運用会社のファンドマネジャーは創薬ベンチャーのサンバイオを評価する。昨年11月、外傷性脳損傷の新薬に有効性が認められたと発表してから、株価は3倍強に上昇。23日も4%高だった。

サンバイオには機関投資家の中長期マネーも流入している。QUICK・ファクトセットによると昨年後半にJPモルガン・アセット・マネジメントや英ベイリー・ギフォード・アンド・カンパニーなどが保有株を増やした。

マザーズ復権の1つ目の要因はけん引役の存在だ。東証マザーズ指数の構成銘柄のうち、サンバイオの時価総額は1割超を占める。サンバイオには値動きの軽さを好む個人マネーも大量に流入。持続的な株価上昇が「個人の投資余力の改善につながった」。

松井証券の顧客のマザーズ市場での信用評価損益率(信用取引で買った株式の含み損益)は昨年12月25日にマイナス35%に落ち込んだが今月22日にはマイナス16.2%まで持ち直した。

2つ目はリスク回避の動きに一巡感が出てきたことだ。新興企業株は高リスク資産とされ、値動きがカネ余りの度合いに左右されやすい。世界の主要中央銀行の資産拡大ペースとマザーズ指数の東証1部に対する値動きには連動性がある。

18年は世界の主要中銀が金融政策の正常化を模索して資産規模の拡大ペースが急減速し、マザーズ指数は34%安に沈んだ。だが世界的に景気減速懸念が強まり、引き締め姿勢が後退するとの見方が出ている。

IAマネジメントのE氏は足元で進む中銀マネーの縮小について、今春にも歯止めがかかると想定。マザーズの底割れ懸念も薄らぐとみる。

3つ目は市場構造変化への期待だ。東証は1部上場の基準を見直し、時価総額の条件を500億~1000億円に引き上げることなどを検討している。

そうなれば「東証1部に上場し、東証株価指数(TOPIX)を構成する中小型株の魅力が薄まり、手放す動きが出てくる」(国内運用会社)。

逆にマザーズは「有望成長株が集まる市場」との位置づけが明確になり、中小型株を手掛ける機関投資家などのマネーを引き付けやすくなる。

マザーズには苦い経験がある。16年には新薬期待を集めたそーせいグループがけん引したが、高い期待に応えられず人気が剥落。同時にマザーズからも投資家が離散した。

サンバイオが生んだ好循環を引き継ぎ、柱となる銘柄が次々に登場することが人気持続には欠かせない。

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