株2万2000円台で綱引き 業績底入れが上昇のカギ

株2万2000円台で綱引き 業績底入れが上昇のカギ

4/17 5:30[日経記事 抜粋]

3月期決算企業の決算発表シーズン入りを来週に控え、東京株式相場は強弱感が対立している。アナリストらの2019年度の業績見通しは、18年10月第1週から28週連続で下方修正が上方修正を上回っており、減益予想への警戒感がくすぶる。半面、中国景気には底入れの兆しが見え、4月に入って外国人投資家が買い越しに転じるなど、明るい話も増えてきた。19年1~3月期が業績の底と確認できれば、株価が一段高になる可能性もある。

国際通貨基金(IMF)が9日に発表した世界経済見通しは、19年の世界の成長率予想が3回連続で下方修正されたことが話題になった。しかし、注目すべきなのは成長率が19年の3.3%で底入れし、20年に向けて再加速するとみていることだ。米国、日本、中国は減速するが、ユーロ圏、インド、ブラジル、中東・北アフリカなどは19年が底になるという。米国の利上げ休止が新興国の政策余地を広げるほか、中国の景気刺激策の効果が世界に波及すると予想している。

16日の日経平均株価が2万2000円台で続伸したのは、「世界経済の下振れ懸念が薄らいだ」とみる人が増えているからかもしれない。景気の先行指標といわれる工作機械受注額は、日本工作機械工業会の10日の発表によると、3月は前年同月比28.5%減と2月の29.3%減に比べて減少率が縮小した。27日から始まる10連休は個人消費を1兆円規模で押し上げるとの予想もある。

中国の景気も「7~9月期から緩やかに回復する」(BNPパリバ証券)との声が出ている。市場参加者は今から景気指標に一喜一憂している。12日に中国税関総署が発表した3月の貿易統計によると、ドル建て輸出は前年同月比14.2%増と市場予想を上回った。17日に発表される19年1~3月期の国内総生産(GDP)や、3月の工業生産、社会消費品小売総額(小売売上高)などが次の焦点だ。

日本企業の決算発表では景気減速懸念がくすぶるなか、20年3月期の業績予想を慎重に見積もるところが多いと予想される。大手証券3社が3月上旬時点で集計した19年度の主要企業(金融を除く)の純利益予想は野村証券が1.5%増、大和証券が1.4%増、SMBC日興証券が6.0%増だった。アナリストらがその後も個別企業の予想を下方修正していることから、増益見通しの維持は微妙かもしれない。

ただ、収益を4半期ごとに集計すると、前年同期比の減益率は19年1~3月期が最大になる可能性もある。財務省の法人企業統計調査によると、資本金10億円以上の企業(金融を除く)の経常利益の前年同期比は18年4~6月期に25.0%増、7~9月期に1.0%増、10~12月期に7.5%減と推移してきた。中国向け輸出の急減などで19年1~3月期は一段と悪化している可能性があるが、4~6月期以降は下げ止まる期待もある。

11日に19年2月期決算を発表した安川電機は「日本の製造業の縮図」といわれることがあるが、小笠原浩社長が主力製品のACサーボモーターについて、受注の底は18年9~10月ごろとしたうえで「需要は3月から戻っている」と述べた。営業利益は18年9~11月期が前年同期比20%減、18年12月~19年2月期が35%減だったが、3~5月期は減益幅が縮小するのではないだろうか。

米国でもアナリストらは上場企業の収益動向について、19年1~3月期が底になるとのシナリオを描いている。米調査会社ファクトセットによると、主要500社の1株当たり利益は19年1~3月期が前年同期比4.2%減、4~6月期が0.4%増、7~9月期が2.2%増、10~12月期が8.7%増になる見通しだ。下振れ懸念が消えたわけではないだろうが、「減益は一時的」との見方が米株式相場の最高値接近に結びついていると思われる。

もっとも「そろそろ株式相場は上げ一服になりそう」(大和証券)との指摘もある。英国の欧州連合(EU)離脱問題は期限が10月31日になり、当面の混乱は回避されたが、本質的に何かが変わったわけではない。米中貿易協議は4月中の最終決着が難しくなっている。トランプ米大統領が新たに打ち出した110億ドル(約1兆2000億円)のEU製品に対する報復関税も、EUは対抗措置を講じる構えで、市場の重荷になりそうだ。

10連休中の金融市場の波乱懸念や、10月の消費税率引き上げ後の景気動向が読めないことも、日本株を買いづらくする一因だ。IMFは消費者マインドの悪化を見越し、20年の日本の成長率を0.5%と、19年の1.0%から減速すると予想している。セブン&アイ・ホールディングス、イオン、ローソンなどの株価低迷が個別企業の問題なのか、個人消費の異変の予兆なのかも気になるところだ。

上場企業全体を見渡せば、ビジネスモデルが陳腐化し、減損損失の計上を迫られる企業が増える予感もする。小売業や外食産業が不採算店の整理に伴う減損損失を計上するのはいつものことだが、19年3月期はみずほフィナンシャルグループなど銀行業にも損失処理が広がってきた。改元にあたり、平成で抱えた含み損は片付けておこうという心理も働くのではないか。企業は前向きの処理のつもりでも、市場は「いよいよ追い込まれたか」と受け止める恐れがある。

関連記事

  1. 新型洋上風力が北九州で始動 日立造船や丸紅など

  2. 弱気サイン、本格調整局面入りか

  3. マザーズ復調 潮目好転。けん引役登場など追い風

  4. 三菱商事、「低進捗率」決算に追加還元のサイン

  5. 8月30日(木)(14:00)今後の投資対象はTOPIX組み入れの小型…

  6. 日銀、ETF買いに異変 「ステルス縮小」市場に思惑

  7. 1月23日(水) (13:40)不況下の株高続くか・・・

  8. 年末高、格好の売り場か 移動平均線に弱気サイン

ブライアン投資顧問 無料コンテンツ

ブライアン投資顧問無料メルマガ

株式投資の極意、相場のバイブルを無料提供!

ブライアン投資顧問Youtube

相場状況、日経平均のチャート分析、注目銘柄などをわかりやすく解説しています。

ブライアン投資顧問公式ブログ

畠添武士のマーケットリサーチ。相場観とテクニカル分析で株式市場を斬る!日本株、短期銘柄を中心に情報提供!

ブライアン投資顧問 会員プラン

ブライアン投資顧問 会員プラン

相場環境(地合い)や個別材料などを元にテクニカル分析を駆使し、今後上昇する可能性の高いと見込まれる銘柄をご提案。資金効率重視で短期勝負の方向けにデイトレ~5営業日の利益確定を目標とし、買値から5%UPを目標と致します。

新着記事

  1. 畠添武士の独り言

    3/23(金)(15:00)今週もお疲れさまでし…
  2. 畠添武士の独り言

    3/22(木)(13:30)休み明け、QRコード…
  3. 畠添武士の独り言

    休み明けの注目株
  4. 畠添武士の独り言

    休み明けの短期銘柄配信します

コラム:カテゴリー