株「意外高」整う下地 。急変のサイン、海外勢回帰も
2日付け日経朝刊記事より抜粋
日本株には、実は相場急変のサインが点灯している。条件が整えば、ここから「意外高」が始まる下地が整いつつある。
市場関係者が急変の前兆と注目するのは日経平均の13週、26週、52週移動平均の動きだ。1日時点でいずれも2万1400円近辺に集まっている。経験則では、この3つが接近すると間を置かずに相場が急変するケースが多い。
移動平均の収れんは短期筋や中長期志向の投資家の平均的な保有コストがおおむね同水準に固まっているのを意味する。過去の損益に投資行動が縛られにくく、何かのきっかけで売りや買いの一方にマインドが振れやすくなる。
まずアナリストの業績予想の方向感を示すリビジョンインデックス(RI)。大和証券が集計するRI(4週合計値)は9月27日時点でマイナス29.5%と直近の底値の9月13日時点(マイナス33.2%)から持ちなおし気味だ。某アナリストは「4~9月期決算が低調なのは織り込み済み。ここからさらにRIが悪化するとは考えにくい」と見る。
RIのプラス転換まではまだ見通せないが、企業業績の底割れ回避が見えてくれば、投資家の目は改めて日本株の割安さに向かうだろう。日経平均のPER(株価収益率)は12倍台と約18倍の米国などに比べ低水準にとどまる。
海外投資家は現物株と先物合計で9月第3週(9月17~20日)までに5週連続で日本株を買い越している。「日銀の上場投資信託(ETF)買いによる下支え効果も期待され、売り込んできた海外勢が打診買いを入れている」という。
世界景気や企業業績を巡る悲観論を払拭する結果が出れば、株価上昇に弾みがつく可能性がある。