中小型株、細る流動性   機関投資家「売却が大変」など

中小型株、細る流動性   機関投資家「売却が大変」

10日付け日経記事より

中小型株が低迷している。中小型株に投資するファンドからの資金流出に加えて、日銀が上場投資信託(ETF)を買い続ける影響で浮動株比率が下がり、売買の流動性も低下しているためだ。売買が増えやすい10月末の決算発表前後には売りが膨らむとみられており、警戒も広がっている。

「中小型株に投資する投資信託からの資金流出で、投資戦略に支障が出ている」。日本株のロングショート戦略で運用するあるヘッジファンド運用者は肩を落とす。有望な中小型株を買って大型株を売る戦略だが、成長性のある中小型株を買っても、投信の解約による売りに押されて戦略が機能しないという。東証規模別指数をみるとこの1年で大型株の9%下落に対し、中型株と小型株はいずれも11%と2ケタの下落だ。
中小型株に投資する投信からの資金流出は長期化している。モーニングスター・ダイレクトのデータによると、今年3月から6カ月連続で流出超過になっており、今年の流出額は総額1600億円を超える。運用成績がさえず「個人の解約が増えてきている」(国内運用会社)という。

9日は投信が株式を保有する比率が高い中小型株の下落が目立った。
3月以降でみても投信の保有比率の高い企業は下げが目立つ。

需給面に加え、市場が警戒するのは流動性の低下だ。東京証券取引所によると、上場企業の浮動株比率は年々低下傾向で、中でも中小型株ほど低下幅が大きい。すべての株が浮動株だった場合を1として計算すると、19年6月時点で東証株価指数(TOPIX)全体の浮動株比率は0.61、大型株で占めるTOPIX100は0.72だ。一方、TOPIX100やMid400を除いた中小型株の比率は0.47にとどまる。

持ち合い株の売却を進める大企業の大型株は浮動株比率を高める要素もあるが、オーナー経営者が多い中小型株は固定株の比率が高止まりし、その分だけ日銀のETF買いで浮動株式を吸い上げられる影響度が大きい。市場に流通する株が減り「中小型株は売るのが大変になってきた」とある国内の機関投資家はこぼす。

機関投資家は個別株の流動性を投資選別の基準の一つにしている。市場では「流動性が細って売れずに身動き取れなくなるのが最も怖い」といい、一定基準を下回ると売却に動く。「最近の中小型株には業績動向とは無関係な売りが出る傾向がある」と分析する。
決算発表の前後は業績内容を材料に売買が増えやすい。商いが膨らむのを売るタイミングとして待ち構える機関投資家も多いとみられる。

10月下旬から本格化する決算発表シーズンでは中小型株の株価の振幅が大きくなりそうだ。

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ヘッジファンド 解約急増  1~8月、資金流出10年ぶり水準

世界のマネーを取り込み成長してきたヘッジファンド業界が転機にさしかかっている。調査会社イーベストメントによると、今年1~8月の資金流出額は630億ドル(約6兆7000億円)を超え、同期間として2009年以来、10年ぶりの大きさになった。18年に運用成績が振るわなかったことで、解約が増加。投資家が好成績のヘッジファンドに資金を集約する動きも重なり、淘汰されるファンドも出始めた。

8月、米ヘッジファンドのスカルプター・キャピタル・マネジメント(旧オクジフ・キャピタル・マネジメント)の4~6月期決算が投資家を驚かせた。様々な投資戦略を組み合わせた「マルチ戦略ファンド」からわずか半年で17億ドルの資金が流出していたからだ。

旗艦ファンドの運用成績は年初来で9%のプラスになっている。「好成績を受け、顧客の感触は良くなってきた」とロバート・シャフィール最高経営責任者は強調するが、資金流出に歯止めがかかっていない。

運用が好調にもかかわらず、資金が流出するトレンドはヘッジファンド業界全体に共通する。調査会社ヘッジファンド・リサーチ(HFR)によると、ヘッジファンドの平均的な運用成績を示す指数は1~8月に7%高と、同期間としては10年ぶりの上昇率になった。

にもかかわらず、資金流出額は636億ドルと10年ぶりの大きさだ。流出額の約半分が、株式の買い持ちと売り持ちを組み合わせる「ロングショート戦略」から。トランプ米大統領の発言一つで相場つきが変わるなか「運用リスクを抑制し、慎重に投資せざるを得ない」(日本株の運用担当者)点が嫌気されている。

解約の背景にあるのが、18年の運用成績の低迷だ。同年のヘッジファンドの運用収益は約5%のマイナス。S&P500種株価指数(配当込み)を下回るだけでなく、どの戦略も悪かった。アステラス企業年金基金は今夏、運用先のヘッジファンドを全て売却した。中村裕幸常務理事は「パフォーマンスも出ないしコストも高い」と話す。代わりに不動産やインフラへの投資を検討中だ。

ヘッジファンドの間で運用成績に格差がついているのも一因だ。「ここ数年、成績が好調な一部のファンドに資金が集中している」(ジュリアス・ベア ノムラ ウェルスマネジメントの八木浩樹氏)。資金が集まりすぎた好成績ファンドは新規投資の受け入れを停止。成績不振のファンドを解約しても投資家は新たな資金の振り向け先がなく、ヘッジファンド業界から資金が流出する。

運用成績が良いため、ヘッジファンド全体の運用資産残高は6月末で3.2兆ドルと過去最高水準にある。ただ、淘汰の波は確実に高まっている。HFRによればファンド数は9546と、14年のピークから6%減った。

かつてヘッジファンドは富裕層など限られた投資家の資金を元に、大胆にリスクをとり市場の混乱もいとわない存在だった。公的年金マネーなどを受け入れるようになり、投資家への情報開示やコンプライアンス(法令順守)体制が求められるようになり、応えられないファンドが退出を余儀なくされている。

ヘッジファンドの解約急増は、世界景気の後退局面の到来に警戒を強める一部の投資家の深層心理でもある。とはいえ、低金利下で少しでも高い運用収益を得たい投資家も多い。「今年の好成績が支えになり、そろそろ資金流出に歯止めがかかりそうだ」との声も出ている。

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