東証、1部にスピード移行。2部東芝の早期復帰に道 基準緩和、厳格化に逆行も

東証、1部にスピード移行。2部東芝の早期復帰に道 基準緩和、厳格化に逆行も

[2019/11/27付日経より]

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO52621510W9A121C1EE9000/

東京証券取引所は2020年にも2部市場から1部市場への移行基準を緩和する。現在は監査法人の適正意見がついた有価証券報告書(有報)が5年分必要だが、2年分で移行可能とする。マザーズやジャスダック市場から1部市場への移行基準と統一する。新しい基準では2部上場の東芝が1部に復帰できる可能性が高い。市場区分の見直しで1部市場の上場基準の厳格化を検討しており、今回の移行基準の緩和は議論を呼びそうだ。

東証は月内にも基準の改正案を公開し、市場関係者から幅広く意見を募集する。2部から1部に移行できる基準を緩和するのは、他市場とのズレを是正するのが狙いだ。現在でもマザーズやジャスダックから1部に移行する場合は2年分の有報で済む。2部にだけ約50年前からの基準が残り、5年分と長くなっていた。

金融庁は金融審議会で上場市場の区分見直しを議論している。経済産業省などは1部や東証株価指数(TOPIX)のあり方などと比べて議論が進めやすい論点は先行して結論を出すべきだとしている。東証もその主張に沿って対応する方針で、移行基準については20年にも緩和が実現する可能性がある。

基準見直しで影響が出そうなのが、2017年8月に債務超過を理由に1部市場から2部へ降格となった東芝だ。

東芝は16年4~12月の四半期決算でPwCあらた監査法人から内容の正当性を留保する「意見不表明」という判断を受けた。現在の基準では1部復帰には、18年3月期~22年3月期の5年分の有報が必要となる。

提出済みの18年3月期~19年3月期の有報で監査法人から適正意見を受けており、基準が緩和されれば、1部にすぐに移行申請が出せることになる。経営体制など実質的な審査を通れば1部に復帰する。

東芝は15年に不正会計が発覚し、東証は内部管理体制に問題がある「特設注意市場銘柄」に指定した。1年半以内に内部管理体制の改善が認められなければ上場廃止になる制度だ。

東芝は指定後も米原発子会社の巨額損失などで不備を露呈。にもかかわらず上場維持を決めた取引所の当時の判断にはいまなお疑問の声がある。

東芝が今回の緩和の初の適用案件となれば、「明らかな東芝救済」(関係者)との不信感を再び生む可能性がある。特定企業の優遇とも捉えられかねず、東証は丁寧な説明をする必要がある。このタイミングで緩和するメリットなど市場構造の「わかりやすさ」以上の説明が求められそうだ。

市場改革を巡っては、東証が2018年10月に有識者会議を設置し、今年5月に金融庁の金融審議会が議論を引き継いだ。焦点となるのは全市場の約6割の企業が集中しながら日本の最上位市場である1部のあり方だ。

金融審は新たな1部市場をプライム市場(仮称)としてより高いガバナンス(企業統治)や株式の流通比率の向上を求める方針を示している。1部移行に必要な有報の年数を短縮するのは改革の流れに逆行するのに近い。

1部への移行に関しては有報の提出期間だけでなく、時価総額でも基準にずれがある。同じ新興市場でも1部に移行する際に、ジャスダックは直接1部に上場するのと同じ250億円以上が必要だが、マザーズは40億円以上でいい。金融庁の審議会は250億円に一本化する案を示しているが、時価総額基準は厳格化し、有報提出は緩和するのは矛盾する。

2部市場は1961年、証券会社の店頭市場で取り扱っていた銘柄をそのまま東証に移行してできたのが始まりだ。この時に上場にふさわしい企業かどうかを見極める上場審査を省略した。

当時の2部上場企業に財務情報の虚偽記載などが相次いだことから、東証が1部への移行について5年という長い期間を設定していた。

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